昔は集落で住んでいると自分の庭=集落の庭という感じで共有的な存在でした。また、人のつきあいもあり、共同で取り組むと集落自身の環境も向上したというものです。
最近の超高層マンションに人気があるのは外との世界とは関わりを一切もたずに都心の便利なところで見晴らしのいい上空から眺めれるだけでいられるという個人主義なライフスタイルが高い価値として受け止められている証拠だと思います。

環境共生とは仮に隣の敷地に木があるとそれは借景としてだけでなく、日光や通風にも大きく影響されます。また夏の暑い日には南側のバルコニーにすだれで覆い、すだれに水をかけてやると一気に熱気は無くなり、涼しくなります。すばれに水をかけ続けるというのは困難なので、そのすだれに朝顔やきゅうりなどのつる性の植物を植えると、その植物には当然水分が含まれていますので、水をかけたと同じような効果が現れます。冬にはその植物も枯れ、日差しが入ってくるというわけです。
南側の樹木と北側の樹木とでは、それぞれ違った役割があります。南側の樹木は「暑さを入れない」ための樹木で、アスファルトや隣の屋根からの輻射熱を水の膜でシャットアウトする役割を果たします。一方、北側の樹木は「涼しさを取り入れる」ための緑です。樹木が冷気をつくる効果によって北側の樹木と建物の隙間には南側よりも5〜6℃程度気温の低い場所をつくることもできます。