2006年02月25日

太陽光発電から太陽熱発電へ

 最近は太陽光発電パネルを屋根に取り付けている住宅が増えてきた。それもやはりコストが徐々に下がり、また発電効率も数年前より上がっていることからだろう。しかし、この太陽光発電から次世代の発電システムへ研究がすすめられている。

 太陽熱を利用してタービンを回し、太陽電池の二倍の効率で電力が得られる新しい発電システムを、東北大学大学院環境科学研究科の斎藤武雄教授らの研究チームが開発、仙台市の同大学で発表した。地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出せず、小型化しても効率が落ちないので自動車エンジンや家庭用の小型発電機など幅広い用途で実用化が期待されそうです。

 ガソリンエンジンとの組み合わせでハイブリッド車として応用すれば、「一リットルあたりの燃費が百二十キロの超省エネ車も実現する」(斎藤教授)という。

 この発電システムは、太陽熱で温めた熱水で有機触媒(代替フロン)を約百二十度に加熱。この触媒をマッハ2−3の超音速で、新たに開発した小型タービン(シンラタービン)のローターに噴射し毎分約三千三百回転で回転させて発電する。

 高効率発電を実現した要の技術は、タービンの形状だ。直径約二十センチ、厚さ〇・一ミリのステンレスで作った渦巻き状の切れ込みを入れた円盤(ディスク)と、同サイズの平板を交互に何枚も重ね合わせることで、「粘性力、衝動力、反動力などを複合的に利用できる」(斎藤教授)という。火力・原子力発電所などの従来の大型発電システムは、規模を小さくすると効率が落ちるのが難点だったが、この技術により小型で高効率のタービンを実現した。

 新発電システムでは太陽エネルギーの16−20%を電気エネルギーに変換しており、発電効率は太陽電池(約8%)の二倍。実用化が間近な燃料電池に比べても一・五倍の効率です。

 家庭用に実用化されれば、冷蔵庫ほどの大きさで一キロワットの発電が可能となり、同規模の太陽電池で七十万円の設備価格が、半分以下の約三十万円に抑えられる。

 近く実用化が期待される用途は、家庭用電源やハイブリッド車など。
posted by 袋谷 at 15:09| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(1) | 環境・省エネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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