いわゆる今までの子供部屋への改革だ。
私達が育ってきたのは、子供が独立するためにと、与えられた専用の部屋。確かに、個室を与えられると、家に帰ってくると、個室に向かい、夕ご飯の時だけ降りてきて、すぐさま個室へ向かう。そういう日々を繰り返し、家族との会う時間が極端に少なく、また、個室でこもると一生懸命勉強するわけでもなく、音楽を聴いたり、テレビを見たり、インターネットをしたり、電話をしたりと・・・
しかし、親は厳しく、勉強・勉強・勉強・・・の言葉が鳴り響く。それで、また聞くのが煩わしいので、個室へこもる。親は子供が個室で何をしているのかもわからず、試験の成績が発表された時にだけ説教し、また怒鳴る。悪循環のように今になって思います。
この本に書かれているのは、頭のよい子の家だけを取材したのではなく、たまたま話を聞いていたら、偶然にも同じような傾向があったというのだ。それは「家族とのコミュニケーション」。小さいうちの子供は親がとても好き。子供はお母さんのいるキッチンやリビングの近くによくいるものです。トイレに行けばトイレについて行き、バルコニーに洗濯物を干しに行くと、またついて行く。
子供の勉強机を移動できるように軽いものでつくる。私の家でもそれは、ありました。しまじろうの「こどもちゃれんじ」の付録についていたダンボールでできた机がありました。子供はお絵かきや宿題はこの移動式机でお母さんの跡を追うのです。

それから、リビングダイニングは子供が自分のターミナルにしてしまうということです。ダイニングテーブルで勉強し、食事をし、家族と話をし、後ろには本棚がづらり・・・あげくの果てにここで寝てしまうことも。
子供部屋が全く無いわけでもない。寝るだけのスペースとあとは入口である扉が無く、オープンになっている。又は吹き抜けに面していて、下から声をかければ、すぐに部屋中に声が響き渡る。
階段はキッチンに向いていて、更に階段の壁に本棚があると、お母さんはキッチンで料理を作っている間に階段に座って本を読む。これもコミュニケーション。
子供部屋を逆手にとって、家族の場とすることもできる。子供は窓に向かって勉強し、お母さんが子供部屋に入り、子供の背中を見ながら洗濯物を畳んだり、新聞を見たりと・・・すると、勉強していてわからないことがあれば、すぐお母さんに聞く。
間仕切壁が全く無い家。仕切りは大きな本棚や大きなついたて。さらに、家の中にポストを作り、お母さんと子供とが文通する。今日の出来事、失敗したこと、できたことなどを口で言うとその時しか残らないが、文章にすると記憶に残る。
これらの子供たちは有名私立中学に合格した家庭ばかりだったのです。中学生を迎える子供たちはまだまだお母さんにかまって欲しいし、ほめてもらいたいのです。また、子供もお父さんやお母さんのことを素直にありがとうという感謝の気持ちを素直に持てる家なのです。
この本には間取りがわかり易いイラストでかかれていたり、今からの部屋の改造方法や10か条など色々ありますので、一読してみてはいかがでしょうか。

「頭のよい子が育つ家」
著者: 四十万靖 /渡辺朗子
出版社: 日経BP社 /日経BP出版センター
サイズ: 単行本
ページ数: 232p
発行年月: 2006年08月
1,365 円
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